マサオのブログ

よもやま話ですが、何かのお役に立てれば幸いです。

生のエネルギー

先日友人に誘われ、渋谷のヨシモト∞ホールで行われた、新人お笑い芸人ライブ「彩オーディション」に行って来ました。

劇場に足を運んだのは、何年振りでしょう。

ましてや、お笑いのライブなんて初めてです。

思えば吉本興業のお膝下の関西に生まれ育ち、子供の頃からお笑いに親しんだ環境であったにもかかわらず、これまで一度も生でお笑いを見たことがありませんでした(地元民て意外とそんなもんです)

友人が特に気に入っているという漫才コンビを見るためです。

小さなホールで、すべて自由席、なんとたったの1000円です。

出演者はNSC(吉本タレント養成所)を卒業したばかりの新人たちで、いわば芸人の最下層の人たちです。

このライブで、人気が上がれば次のランクに行けます。

そこで勝ち抜けば、また次、次とランクが上がり、同時に知名度やギャラも上がって行くわけです。

お笑いの登竜門ともいえるライブです。

関西エリア、関東エリアとに分かれ、同時に開催されています。

観客は入場時にアンケート用紙を渡され、そこにその日、面白かった芸人のベスト3を記入し、帰りに提出します。

それが集計され、そのままポイントになり、得点の高い人が勝ち残れるのです。

完全に弱肉強食、実力主義の世界です。

2時間のライブで出場は30組近く、ほとんどが漫才ですが、中にはピン芸人やトリオもいます。

持ち時間は、1組たったの2分間で、オーバーすれば強制終了(電気が消える)されます。

観客は50~60人ほどで、出演者と人数的にあまり変わりません。

入場料も安いので、彼らのギャラも数百円でしょう(もしかしたらゼロかもしれません)

司会の漫才コンビは、グレーのジャケットを着ており、これは以前にこのライブで勝ち残った者の証です。

彼らは司会のみで、漫才はしませんが、全体的に自信と余裕、落ち着きがあります。

それに比べ出演者は必死で、あがりまくっているのが分かります。

友人にはあらかじめ、面白くないから期待しない様にといわれていましたが、期待していない分、意外と面白かったです。

漫才の上手い人は、ネタもよく出来ていて落ち着いています。

個性的なキャラの人も多く、私は語れるほど漫才のことは知りませんが、思ったよりレベルが高かったです。

といっても学年に何人かはいそうなレベルで、これは将来有名になるなと思えるまでのひとはいませんでした。

特に感じたのが、ピン芸人のパフォーマンスは、つまらない人はまったく面白くないのですが、面白さとは関係なく、みんな訴えたいことや自分の思想哲学を披露している人が多いことに気づきました。

自分の生い立ちや、不遇な人生を、世間へのブラックな思いを皮肉をまじえて、訴えかけているのです。

中にはお笑い関係なく、完全に自己満足でやっている人もいました。

芸人になる人は、アウトサイダー的な性格の人が多いのでそれも頷けます。

そんな彼らを見ていると、なんとなく応援したくなりました。

ライブはいいです。

会場でしか味わえない独特の周波数や、エネルギーに満ちています。

若者たちの痛々しいまでの上昇志向や熱意、あがき、それらが生のエネルギーとして感じられただけでも、とても有意義な時間でした。