自分を生かす
珍しく2本連続で、映画鑑賞をしました(といっても、録画撮りしたテレ東の午後のロードショーですが)
「トータルリコール」と「ウォーターワールド」です。
トータルリコールは、シュワちゃんの代表作のひとつで、1990年の作品ですが、未だにTV放映されるので、なにげに人気があるのでしょう。
私もこのちょっとへんてこで、悪趣味(グロテスク)な世界観が面白くて、いつも何となく見てしまいます(そんなに好きでもないのですが、癖になる感じ)
シュワちゃんの映画は、本人のどことなく不器用でコミカルな感じや、悪役の死に方が笑えます(基本ブラックジョーク満載)
これは、シュワちゃんアクションスターとしての、大きな魅力のひとつです。
ただ感心するのは、脳に記憶をインプットしたり、消したりして人格を変えてしまうという発想は、後の「攻殻機動隊」や、他人と記憶を共有可能な未来社会が実現するかもしれないという問題などを、いち早くテーマに盛り込んでおり、その辺りも意外に馬鹿に出来ない要素なのかもしれません。
現に2012年に、リメイクもされています(リメイク版は見ていませんが)
そして、ウォーターワールドですが、こちらはケビン・コスナーが、落ち目になったきっかけの作品です。
そして次のポストマンの失敗で没落し、もう日本公開の映画では見かけなくなりました(主に脇役に転向)
今回初めて見たのですが、はっきりいって面白くなかったです(なるほどと思いました)
しかし、なぜかUSJではオープン当初からの定番アトラクションですので、見たことはありませんが、こちらは面白いのでしょう(確か一度ボヤ騒ぎもありました)
ただ、この映画も見るべきところはあって、巨大タンカーを居住地にしたり、プロペラ機が離発着する発想は、後の映画バイオハザード4に通じます。
それと悪役の故・デニス・ホッパーが、なんとも楽しそうに演じています(しかし、なぜかラジー賞の最低助演男優賞受賞)
私はこの俳優が大好きです。
ジャイアンツ、イージーライダーやスピードなど、デビューは真性二枚目ですが、その後は個性的な悪役を多く演じ、本当にユーモラスでセクシーな俳優だと思います。
日本でもツムラのCMに出演し、「アヒルちゃん」を湯船に浮かべて楽しそうに遊んでいたのが印象的です(当時は、あのデニス・ホッパーがと、度肝を抜かれましたが)
そして、この映画を見て思ったのが、ケビン・コスナーは、未来の荒廃した世界観が合わないという事です。
ポストマンもそうですが、これは完全にマッドマックスや、北斗の拳の世界観です。
彼は出世作の「アンタッチャブル」、そして「ダンス・ウィズ・ウルフズ」「JFK」「パーフェクトワールド」など、設定が「過去に係わる作品」が相性がいい気がします。
シリアス過ぎて、マッドな世界観には合わないのです。
もっとシュワちゃんの様な、コミカルさが必要だと思います。
最近では、ウィルスミスがそれに当たる気がします(アイボットやアイアムレジェンドなど)
これらの世界観の原点ともいえる「マッドマックス」にしても、主演のメル・ギブソンも基本シリアスですが、どこかコミカル要素はあります(後のリーサル・ウェポンなど)
漫画ですが、北斗の拳の主人公ケンシロウも基本シリアスですが、ときどき思いついたように、悪役をなぶり殺しにしますし、そこが面白かったりします。
なのでブラックジョークは、こういった世界観には欠かせない要素だと思います(倫理的には問題ですが)
ケビンコスナーは、日本でいえば、もしかしたら渡辺謙さんに少し似ているかもしれません。
謙さんも出世作である大河ドラマの「独眼竜政宗」、そしてハリウッドの「ラストサムライ」や「硫黄島からの手紙」など、基本シリアスで、歴史や過去に係わった作品がヒットしている気がします。
トーク番組などを見ていても、謙さんご本人は、わりとユーモラスな方だとは思いますが、本領を発揮するのは、やはりシリアスな作品だと思います(ドラマシリーズの「鍵師」ではコミカルでしたが、私はイマイチだったと思います)
ケビン・コスナーは、ウォーターワールドやポストマンでも、監督や製作にかかわっているので、この世界観がよほど好きなのかも知れませんが、好きこそものの上手なれとは行かなかった様です。
もっと自分に合う物で、自分を生かすべきだったのかも。
理想は自分が好きな物で、自分を生かせたら最高ですが。