ラウトカ学生寮強盗事件 その11
傷口の縫合が終わり起き上がってみると、ベッドには血溜まりが出来ていました。
初めからここまで相当出血したであろうと思われます。
少しクラクラしますが、これで一安心です。
それからドクターの診察を受けました。
状況を説明し問診を受け傷口を見て頂きましたが、骨が心配なのでレントゲンを撮るようにと言われました。
私は部屋を出て友人に付き添われながら、レントゲン室に向かいました。
レントゲン室にはフィジー系で40歳前後のレントゲン技師がいて、頭の傷口とナタを受けた左腕を撮影してもらいました。
割と気さくな感じの人なので、私は撮影後にずっと気になっていた質問をしました。
「今日ここの支払いはどうすれば良いのか」とその技師に尋ねると、彼はしばらく考えて「60ドルだ」と言いました。
おかしいと思いましたが、どのみち今日は持っていないので明日支払うと伝えると、「わかった明日俺の所に来い」と言っていました。
そして名前を聞き明日来ることを約束してそこを出ました。
かなり怪しいとは思いつつ、出来上がったレントゲン写真を自分で携えて(この辺りはフィジーらしさか、時間外のためでしょうか?)診察室にもどり、ドクターに結果を聞きました。
幸い骨には異常はなく、意識もはっきりしているので問題ないだろうとの事でした。
それにしてもナタをフルスイングで食らって骨にひびも入らないなんて、本当に石頭だと思いました。
私はこの当時で、自転車で車に2回はねられ(その後2年前に3回目もありましたが)他にも高所から落ちたりと結構怪我が多い方でしたが、骨折だけは1度もしたことが無く骨の丈夫さには自信がありました。
しかしこの時ばかりは本当に丈夫に産んでくれた両親に感謝しました。
抜糸も1週間位で出来るだろうとの事でしたので、本当に安心しました。
診察が終わり、もう帰っていいと言われたので、支払いはと尋ねると「Free」だと返事が返って来ました。
病院が無料?
訳が分からず他の看護師に聞いても答えは「Free」です。
その時は私も友人もフィジーの公立病院が無料だとは知りませんでしたので、けげんに思いながら病院をあとにしました。
それにしてもあのレントゲン技師は怪しいと思いながら・・・