マサオのブログ

よもやま話ですが、何かのお役に立てれば幸いです。

俳句甲子園

先日NHKのEテレで、俳句甲子園の模様を放送していました。

俳句甲子園というのは、毎年全国の俳句部や同好会の高校生が、愛媛県松山市に集まり、全国大会行い優勝校を決める大会です。

名前の通り、まさに「俳句の甲子園」です。

なぜ愛媛県松山市なのかと言うと、当地が高浜虚子正岡子規などを輩出した街だからだそうです。

私は別に俳句を読む趣味はありませんし、これまで学生時代にも国語の授業以外で、俳句を作ったこともありませんし、今の所、将来やってみたいと思っている訳でもありません。

ではなぜそんな番組を見たかと言うと、お客様に俳句甲子園の関係者の方が、来ておられまして、その方のお勧めで、このたび見る機会を得ました。

番組を観て、私の俳句に対する認識が変わりました。

これまで俳句は、「高齢者の方の趣味」というイメージがあったのですが、出場者は当たり前ですが、もちろん高校生ですし、彼らの俳句や勝負に掛ける熱意はものすごい物がありました。

私の中で、文科系の部活動は運動系に比べ、そんなに真剣に取り組んでいるイメージが無かったのですが、それは私の単なる偏見でした。

番組は前年度優勝校の松山東高校や、今年俳句同好会を立ち上げたばかりの高知県の学校などを、紹介しながら進められて行き、実際の大会の様子は一部だけで、ドキュメンタリーと言った感じでした。

彼らは一年を通して、ひたすら俳句を作る毎日です。

目標は俳句甲子園で勝つためです。

大会はトーナメント制で、毎年お題目が決められており、そのテーマに沿ってあらかじめ用意した俳句で勝負を決します。

審査員が勝敗を判定するのですが、この大会の面白い所は、ちゃんと勝負の駆け引きがあります。

部員たちはお互い相手の俳句に対し、もっとこうした方がいいとか、意味が分かりずらいなど、ディベートを行います。

相手の指摘に対し、的確に答えられなければ、審査員の印象が悪くなるため、このディベートがかなり重要です。

作品が甲乙つけがたい場合は、このディベートの良し悪しで勝敗が決まります。

ですので弁の立つ人物が部員にいると有利ですし、それ以上に、瞬時に相手の俳句を読み解く力や、表現力や語彙力、瞬発力も問われます。

彼らのディベートを見ていると、とても真剣で、内容は大人顔負けです。

今年の優勝校は開成高校で、これまでの最多優勝校でした。

やはり偏差値の高い学校が、毎年上位に来るようです。

紹介されていた高校は敗退し、部員たちは涙を流して悔しがっていました。

それはまさにスポーツと同じく勝負の世界です。

世の中には面白い世界があるなと感心するのと同時に、これは彼らの成長や、教育にも役に立つ素晴らしい取り組みだと思いました。

他の文化系クラブ部も、もっとこういう全国大会を増やして盛り上げていけば、新しい才能の発掘や、その業界の活性化にも繋がり、すごいことになるかもしれないと思いました。