責任の所在
今朝、セミの鳴き声を聞きました。
この夏(今年)、初ものです。
さすがに梅雨明けでは?と思うのですが、毎年のごとく気象庁はハッキリしません。
別に気象庁が天気を操作している訳ではないのですが、なんでも文句が言いたい輩がいるので、毎年、梅雨明けしていた「模様」などと、日本語の「悪い癖」全開の表現を使って、責任回避をしています。
そういえば、私たちは言葉の語尾に「と思う」や「かもしれない」などと、日常的に使っています。
言い切らないのが、習慣になっています。
もうほとんど「無意識」です。
昔、留学していた頃、英語の授業で現地の教師が、日本人は、みんな口癖のように「may be」(たぶん、もしかしたら)を多用すると言っていました。
確かにその通りだったので、みんな苦笑していたのを覚えています。
そんな風に、たとえ英語を話す時でも、その「習慣」が無意識に出てしまうのは、面白い事実です。
ひどいときは「きっと・・もしかしたら・・そうかもしれない・・とも思う」みたいな感じです。
自信のなさ、教育、習慣や文化、日本語そのものの性質など、さまざまな理由があるにせよ、外国人からすれば奇妙に見えるようです。
ところが昨今では、上記の悪質クレーマーなどが増え、企業や団体は対応に苦心しています。
TVショッピングの宣伝文句でも、必ず「効果には個人差があります」などとテロップが流れます。
アニメでも「テレビを見る時は、部屋を明るくしてから離れてみて下さい」と必ずテロップが出ます。
これは97年にアニメのポケモン(ポケットモンスター)放送時に、画面を見て気分が悪くなる人が大勢出た(後にポケモンショックと呼ばれる)ためで、それ以降は、どのアニメでも初めにこのテロップが流れます。
お蔭で一時期ポケモンは、バッシングの対象にもなったそうですが、今でも世界的に人気があるのは、大したものです。
有名なのが、訴訟大国アメリカの「マクドナルド・ホットコーヒー事件」です。
コーヒーを「自分の過失で」こぼして、やけどをした老婦人が、コーヒーの温度が高すぎるとして、マクドナルドを相手に訴訟を起こし、3億円余りをぶん取ったとのこと。
しかし、これは都市伝説で、実際の金額は6000万円(それでも凄い)だったそうです。
もう呆れるやら、おかしいやら、最後には笑ってしまいますが、このニュースを聞いて、腕のいい弁護士さえ雇えば、何でもアリかと憤りを感じたのを覚えています。
流石に日本人では、こんな恥知らずなひとはいないと思っていましたが、どうやら最近ではそうでもなくなって来ているようです。
このニュース以来、日本でもテイクアウトの温かい飲み物や食べ物には「容器が大変熱くなっております」などと表記される様になりました。
機械のマニュアルでも「子供や猫を入れないでください」とか、訳の分からないものが増えました。
あくまでも、訴訟対策として「念のため」に書かれている様です。
ちょうど今日食べたセブンイレブンの菓子パンにも「はちみつが入っていますので、1歳未満の子供には与えないで下さい」と書かれていました。
まだ離乳食の段階で、トーストは食べないだろうと思いましたが、これも「念のため」でしょう。
それと、これを書くことによって、本物のはちみつが入っていることを、むしろこれを食べるユーザーに対して「アピール出来るからでは」とも思いました。
もしこの想像が当たっているのなら、セブンは商魂たくましいというか、商売上手だなと思いました。