外見で決める
なんだか蒸し暑いです。
本当に10月なのか、疑いたくなります。
しかし思えば子供の頃、運動会はこの時期にやっていましたし、結構暑かった記憶がありますので、それほど異常でもないのかもしれません。
昨日、庭のオリーブの鉢植えに、水をやっていると驚きました。
葉っぱに、大きな青虫が付いているのです。
私の人差し指くらいはありそうな、大きな青虫です。
いつの間にと思いながら、2週間前を思い出しました。
約2週間前、同じように霧吹きで水やりをしていると、うごめく葉っぱが有るので、奇妙に思い見てみると、葉っぱに擬態した虫でした。
小さいので、その時はたいして気にもせずに、そのままにしておいたのですが、2週間ぶり(先週は雨が降ったのでやりませんでした)に見てみると、驚くほど大きくなっていました。
正直気持ち悪いと思いながらも、これだけ大きければ、さぞ立派な蝶になるだろうと思いました。
虫とはいえ、私は殺生を好みませんので、部屋に虫が入って来ても、基本的には逃がします(ゴキブリなどの増えると困る、いわゆる害虫の類は殺します)
なぜか蚊にも、ほとんど刺されませんので、基本的には無視しています。
なので、この青虫をどうするか考えました。
これだけ大きくなっているのだから、もうそろそろ蝶になってもおかしくなさそうだし、「これが綺麗な蝶になるのなら見逃してもいいかな」などと考えて、いったいどんな蝶になるのか興味が湧いたので、ネットで調べてみる事にしました。
そうすると、同じようにオリーブの木に青虫が付いて困っている、という書き込みが沢山出て来て、画像を見るとまったく同じ種類の青虫でした。
その青虫の名前を見て、愕然としました。
名前は「スズメガの幼虫」です。
残念ながら「蝶」ではなく、「蛾」でした。
しかも名前の通り、スズメみたいに大きな蛾です。
そういえば、公園の街灯などに群がっている蛾の中に、胴体の太い、ひときわ大きな蛾が混じっているのを見ることがありますが、まさにそれです。
おそらく街中で見る蛾の中では、最大でしょう。
よく見ると、隣の鉢にも私の小指くらいのサイズのものが、5、6ぴき付いていました。
地面は、青虫の糞でいっぱいです。
そういえば、最近どうも葉っぱの寂しい枝があるなと思っていたら、こいつらが原因だったのです。
私は彼らを、駆除することにしました。
しかし、割り箸で摘み取ろうとするのですが、枝にしっかりつかまって、なかなか上手く行きません。
仕方がないので、枝ごとハサミで切り取りました。
幸いどの虫も、新芽を狙って枝の先っぽについているので、それほど切らずに済みました。
もし蝶の幼虫なら、他の木に移してあげても良かったのですが、あのおぞましいスズメガだと思うと、とてもそんな気にはなりませんので、ビニール袋に二重にして、可燃ごみとして捨てました。
処理が終わってほっとしながら、我ながら勝手だなと思いました。
彼らは確かに、大切な鉢植を枯らす恐れのある害虫には違いありませんが、成虫が綺麗な蝶になるか、醜い蛾になるかで、生かすか殺すかを決めてしまいました。
生物学的には、両者に明確な違いは無いそうです。
ただ単に、人間の好みの問題だけです。
流石に自己嫌悪とまでは言いませんが、少し複雑な気持ちになりました。