価値観の切り替え
ヤンキースの黒田投手が、来シーズンより広島カープに復帰することが決まりました。
なんと、21億円の年俸を蹴って年俸4億円のカープに。
来年2月で40歳なのに、ここまで期待されているのは凄いです。
普通、メジャーリーグから日本球界に復帰する選手は、みんなメジャーで峠を越えた選手ばかりですが、黒田選手は違います。
それに5分の1の年俸でも行きたいなんて、なんて律儀なひとでしょうか。
やりたいことをやりたいだけやって、最後は古巣に恩返しをする。
本当にかっこいいし、これで男を上げたと思います。
貧乏球団のイメージがある広島カープにしても、年俸4億円は頑張ってるなという印象です。
おそらく黒田選手にしても、なにも恩返しだけでなく、純粋に日本の野球が好き、広島ファンが好き、というのもありそうな気もします(向こうでもう十分稼いだでしょうし、引退後の生活や、野球人としての将来を見据えて{監督業など}という戦略もあるのかもしれません)
日本野球がメジャーの二軍になるのは、気持ち的にはあまり愉快ではありませんが、選手のチャレンジ精神や向上心、なんといっても高い年俸には魅力があるので仕方がないのですが、これは嬉しい話です。
これがきっかけになって、これからはメジャーからオファーが来ても、あえて日本で頑張る酔狂な選手が出てくるかもしれません。
なんにせよ、こんなことは、生き方やあり方が明確でなければ出来ませんし、こういった流れは、今後なにもプロ野球だけでなくとも、私たちの身近にも増えていくことだと思います。
最近では、農業や漁業に興味を持つ若者が増えているそうですし、たとえ年収が減っても、あえて地方に住んで、環境や趣味を優先するひとびともメディアでよく紹介されます。
地方創生は、これからの日本の大きなテーマですので、いい流れだと思います。
なにを優先し、どうあるべきか、なにが本当の自分の満足や幸福に繋がるのか、真剣に考えることを、これまでの日本の社会は出来ない(やりづらい)仕組みでした。
終身雇用は、そんな仕組みです。
しかし、それが崩壊した今、そこに力を注がないといけない状態にならざるを得ません。
ひと昔前の「勝ち組」「負け組」理論では、もう救いがありませんし、今後もっと格差が広がり、日本全体が貧しくなるのは、避けられない現実ですので、これはマストでしょう。
たとえ貧しくなっても、みんなが問題を共有し、仕事でも資源でもなんでもシェアし合い、協力し合う良い社会になればいいと思いますし、日本人にはそれが可能だと信じています。