サリン事件
地下鉄サリン事件から、今日でちょうど20年です。
あのころは阪神大震災からまだ2ヶ月余りで、当時住んでいた大阪でも、まだ余震が頻繁に起きていました。
これまで平和だった日本で、自分が経験したことのないひどいことが、立て続けに起きたので、愕然となったのを覚えています。
来月から社会人になるのに「今年は、なんて年だ」と思いました(前途が不安にも)
この地下鉄サリン事件をきっかけに、オウム真理教教団にメスが入ったわけですが、彼らが推し進めていたことは、今思えば本当にとんでもないことでした。
信者をマインドコントロールし、山奥にサティアンなるものを作り、化学兵器の実験や、軍事訓練までしていたことを考えると、ISILより20年も前に、この平和な日本国内でそれをやっていた訳ですから、誠に不謹慎な表現ですが、大したものだとさえ思います。
ISILはネットを駆使して、世界中から兵士や技術者を勧誘していますが、それと同じ手法(社会に不満のある若者を狙い撃ちして誘う)をオウム教団は、それよりもずっと昔からやっていた訳です。
日本は治安が良くて平和だといわれますが、これをみると本当にそうなのだろうかと疑問に思えてきます。
逆に考えれば、平和ボケした日本だからこそ(当時はバブル前後で今よりひどい状況)出来たのかもしれません。
先日チュニジアの博物館で、武装した男たちが銃を乱射して、日本人3人を含む外国人観光客21人が犠牲になりました。
ペルーの日本大使館襲撃事件や、エジプトでの観光客殺害事件(ルクソール事件)、先日の湯川さんや後藤さん、そして極めつけは9.11ですが、思えばこの20年でテロでなくなったり、巻き込まれた日本人は結構な数に上ります。
宗教とテロ、アメリカの戦争、異常気象、地震、津波、原発事故、ネット時代の到来、少子高齢化、理解不能で異常な犯罪、日本はまさに失われた20年でしたし、本当にめまぐるしい過酷な20年でした。
これから日本や世界が、どうなっていくのか分かりませんが、このオウム事件から読み取れる様々なことは、世の中の大きな流れを見る上で歴史的価値があるかもしれません。
またそれを探ることで、今の社会に生きるひとびとの深い心の闇の部分も、クローズアップできるかもしれません。
現にこの20年は、そういった「こころの闇」を題材にしたコンテンツがたくさん作られてきたように思えます。
一概には言えませんが、もしかすると、希望を失った若者たち(だけでもないですが)が、今の社会や人生に意味を見い出しにくくなっているせいも、あるかも知れません。