ラウトカ学生寮強盗事件 その9
私が連れて来られたのは、街で一番大きな公立のラウトカ病院で、夜の8時を大幅に過ぎていましたが、救急患者も受け付けてくれる街一番の大きな病院でした。
フィジーの病院はパブリックホスピタル(公立病院)とプライベートドクター(私立、開業医)に分かれます。
そこは日本と同じですが、中身はずいぶん違います。
公立病院は健康保険が効きますが、私立は健康保険が効きません。
もちろん私立でも個人で加入する医療保険は効きます。
そして健康保険の個人負担割合が、なんと「ゼロ」、タダなんです!!
病院が無料。
初めて聞いた時はびっくりしました。
しかも、私の様な外国人でもタダなんです。
学生ビザで滞在しているものの、もちろんフィジーの行政に、これまで1セントも納税していません。
にもかかわらず無料なんです。
しかし、当時はその事を知りませんでした。
それが後程、病院関係者から詐欺に引っかかりそうになる原因になるんですが、それはともかく、私は滞在中に怪我や病気をする予定はありませんでしたし、あってもせいぜい風邪か下痢ぐらいを想定していただけなので、日本から持ってきた市販薬で十分と考えていました。
それがまさかこんな事になるなんてと思うと同時に、日本で留学斡旋会社との契約時に強制的に加入させられた、海外旅行者医療保険に入っておいて本当に助かったと思いました。
しかし、取りあえずここの支払いは現金だろうし、いくらかかるかドキドキしながら自分の怪我よりも、そちらを心配しつつ診察準備が出来るのを待っていました。