マサオのブログ

よもやま話ですが、何かのお役に立てれば幸いです。

ラウトカ学生寮強盗事件 その8

今から4年前、私はフィジー共和国に英語の語学留学で1年間滞在していました。

その時体験した、とても貴重な経験について書いています。

 

病院は学校から200m位のすぐ近くにありましたが、夜の外は危険なのと、私の怪我の状態を考慮して、タクシーを呼んでくれました。

タクシーは日本人生徒御用達のインド系ドライバーがいて、彼を呼べばラウトカタウン内ならどこでも1人、2フィジードル(当時のレートで約100円)で乗せてくれました。

これはフィジーでもかなり安く、1人だけ乗せれば場所によって採算が合わないと思いますが、大抵の日本人生徒は、バーなどから複数で乗り合わせるので、客待ちを考えると効率がよく、さすが商売上手なインド系と言う人でした。

彼は、ほとんどの日本人生徒のホームステイ先を知っており、携帯で名前を名乗るだけで、家や寮まで迎えに来てくれました。

1回乗せるだけで顔と名前と住居を覚えてしまうのです。

フィジーの人々は「日本人は見分けがつかない」と言う人が多く、逆に私も初め来た時はフィジー人の個人の見分けが付きませんでした。

名前についても同じ名前の人が同時に複数滞在したりします。

たとえば「Miki」と同じ名前の女性が数人いても、顔を見ればどこそこの「Miki」と全部区別がついている様子でした。

安くて便利なので友達の家に遊びに行く時や、住宅街から市街に出る時などは、いつもみんな彼を呼んでいました。

フィジー系のドライバーではこうはいきません。

もっともタクシードライバーは圧倒的にインド系が多い傾向ですが、それにしても凄い記憶力ですし、いつも日本人を相手にしているので、日本語も単語位なら少し理解出来て、彼こそ本物のプロだといつも感心していました。

その彼に乗せられて病院まで行き、降りるときに付き添ってくれた友達が支払いをしようとすると、「緊急事態なのでいらない」「治療が終わったら連絡してくれ、すぐに迎えに来る」と言ってくれました。

フィジーで、こんな男気のある人がいるなんて驚きましたし、どちらかと言うとインド系は商売上手でドライなイメージでしたので、私はとても感動しました。