マサオのブログ

よもやま話ですが、何かのお役に立てれば幸いです。

ラウトカ学生寮強盗事件 その19

私が宿泊していたのはリゾートホテルと言っても一泊約40フィジードル(2千円くらい)で主にバックパッカーや長期滞在者が利用する為のホテルで、プールやレストランもありましたが、ランク的にはそれほど良い物ではありませんでした。

ですが最初の2週間は朝夕の食事が付き、白人女性の水着姿を見ながらプールサイドで読書したりと、夢にまで見たバカンスを体験することが出来ました。

管理会社のお詫びの気持ちが十分伝わる内容なのですが、当時の私は釈然としないものを抱えていました。

今回の事件はこちらの不注意ではなく、寮を管理する運営会社の責任ですし、あの夜の社長の態度に腹が立っていたのもあり管理会社と、とことん喧嘩してやろうかと考えましたが、ここはフィジーで言葉や法律の壁など、自分にとってアウェー過ぎる環境なので、どうしても管理会社に頼らざる負えない自分のふがいなさもあり、かなり悔しい思いをしていました。

いっそのこと日本に帰国し損害賠償請求してやろうかとまで考えましたが、日本の斡旋会社とこちらの管理会社はどう見ても経営者や株主は同じなのですが、建前上は別会社になっており、あくまでフィジー会社の責任だと言い逃れされると困難ですし、弁護士を雇って裁判沙汰にするにも資金が掛かりますのであきらめざるを得ませんでした。

そもそも留学したのは英語の習得であり、1年の予定をたった2ヶ月で切り上げるのは、今後の予定も大幅に変わってしまうし、なによりこんなことで負けてたまるかと言う私の意地もあり、我慢してこのまま予定通り1年間残ることにしました。

しかし事件の後、帰国した人は女性を中心に多数いました。

その後、管理会社が開いた説明会では寮を柵で囲みきちんとしたセキュリティーを配置して1ヶ月後にはラウトカ校に戻れる様にするとの事でした。

説明会には予想通り社長の姿はなく、管理会社の現地責任者が対応していました。

寮生の選択肢はこのままナンディ校に転校するか、ラウトカに戻って再び寮に入るか、ホームステイに切り替えるかの選択でした。

私はラウトカ校の先生方やクラスメイトと離れたく無かったので、ラウトカに戻ることにして、住まいはホームステイに切り替えることにしました。

もともと寮に入ったのはランニングコストを考えての選択でしたが、自炊すると意外とお金が掛かるし、寮内は日本人ばかりで英語をまったく使わないので上達が遅く、おまけに部屋の中は冷房もなく蒸し風呂状態で、みんな掃除もしないのでキッチンやトイレなども汚く、とても劣悪な環境の上に今回の事件が起きたので、とてものこともう戻る気にはなれませんでした。

説明会では、みんなの不安に思う点や聞きたい説明も不十分でしたので、溜まっていたフラストレーション等もあり、少し強めにいろいろ発言してしまいました。

私は今回一番の被害者でしたので、発言力もあり自分の主張を含めみんなの意見を代弁して伝えることが出来たことは良かったです。

説明会責任者の方は、現地運営管理代表とはいえ、ホテルやバスの手配から寮の柵造営とセキュリティー手配までほとんど一人でされていたようですので、やり手だなと感心すると同時に少し気の毒でもありました。

彼はまだ若く当時30そこそこでしたが、あとでリクルート出身と聞き納得させられました。

私も子会社ではありますが、リクルートの求人誌を営業していた経験がありましたので優秀な方が多いのは知っていました。

リクルートの営業経験者は起業志向が強く、お客様が経営者や人事担当ばかりなので影響を受けやすく、調べてみると経営者には結構な割合でいらっしゃいます。

彼も後日管理会社を辞め、その退職金で今は池袋で飲食店を経営されていますし、私も今では自営業です。