ラウトカ学生寮強盗事件 その22
事件から半年以上経過した2010年2月のある日、私のホームステイ先に1本の電話がかかって来ました。
内容はラウトカタウンにある裁判所に出頭する様にとの事でした。
もちろん襲撃事件の裁判ですが、事件から7ヶ月も経過しているので驚きました。
事件直後に犯人の何人かが逮捕されたので、その後の捜査や彼らがどうなったか気になりましたが、なにぶん外国のことなのでどこに問い合わせれば良いかも分かりませんし、情報も入って来ませんでした。
初めこそ取り調べなどから残りの共犯者も芋ずる式に全員が捕まると期待していましたが、噂では3人逮捕されてその内の1人が事もあろうに脱走したそうで、フィジー警察のずさんさには大変失望させられました。
しかも捕まった犯人も、共犯者のことで口を割れば後の仕返しが刑務所よりも怖いらしく(最悪殺されるとの事)、襲撃グループ全員逮捕で事件解決とは行かない様でした。
盗まれたものは保険で返って来るし治療費もタダでしたので、くやしいけどもう諦めて忘れる事にし、本来の自分の目的に集中して生活する事にしました。
その後は大きな事件やトラブルもなく平和に毎日充実した学生生活を過ごしていました。
なので裁判で証言してくれと言われた時は正直、なにを今さらと言う感じが強かったです。
証言するのは私を含め盗難被害に遭ったメンバー5人だけで、私以外はナンディに転校した企業研修のメンバーでした。
彼らは帰国日が来月なので、彼らの中には「我々が帰国する日を狙ってのタイミングじゃないか」などと言っている人もいましたが、流石ににそんなことは無いだろうと思いました。
しかし裁判まで時間がかかるのはどこの国も同じかもしれませんが、ただの強盗事件で逮捕から7ヶ月以上経過しているのは時間がかかり過ぎだと思います。
なんにせよ法廷に立つなんて事が自分の人生に起こるなんて思ってもみませんでしたので、これは貴重な経験だと思いました。