川上哲治
昨日ニュースで、元巨人監督の川上哲治さんの訃報がありました。
93歳で、老衰とのこと。
現役時代は赤バットを使い活躍、途中太平洋戦争に従軍し現役生活が途切れながらも、プロ野球で初めて2000本安打を達成し、「打撃の神様」と呼ばれ、巨人監督就任後は前人未到のV9を達成、とてつもない記録を残されました。
「名選手は必ずしも名監督ならず」と言われますが、この方にはその言葉は当てはまりません。
今日のプロ野球人気を最初に作った人であり、まさに「ヒーローの人生」です。
私の生まれた年の1974年に監督を引退されたので、ユニフォームを着ているのは見たことはありませんが、アニメの「巨人の星」や「侍ジャイアンツ」を再放送で見て、その存在を知りました。
当時は良く知りませんでしたが、子供心にもなんとなく「すごい人なんだろう」とは思っていました。
その後、出身地や父親の影響で、阪神ファンになりましたが、川上さんには、なんとなく特別な敬意を持っていました。
引退後は野球解説をしながら、主に少年野球の講師として活動されており、時おりTVでお見かけすると、「いつまでもお元気だな、100歳まで生きて欲しいな」と思っていました。
昨日、午前中にお店の床をワックスがけしている時に、ふとあるエピソードが頭をよぎりました。
それは何年か前にラジオで紹介されていたのを聞いたのですが、日本サッカー協会の会長さんが、とある講演でサッカー少年達に「サッカーが上手になるためには、大事なことが2つある。それは『あいさつ』と『整理整頓』です。」と言ったそうです。
サッカー少年達は、この話を聞いても技術や練習がいちばん大事だろうと、いまいち腑に落ちない感じだったそうで、「あいさつや整理整頓が出来なくても、上手くなった人はいますか?」と質問すると、「いません。絶対にいません。何千人という選手を育ててきましたが、サッカーが上手になる人は、必ずあいさつと整理整頓がきちんとできる人なのです。なぜかはわかりません。」と答えました。
その講演には川上さんも出席されていて、「野球もまったく同じです、なぜだかは分からないがその通りです。」と同意されたそうです。
この話の教訓は、「あいさつ」が出来る人は、「人」とのコミュニケーションや気配りが出来る。
「整理整頓」が出来る人は、「物」を大事にする。
この「人」と「物」を大切に出来る人は必ず成功する。
その人の態度が、すべての結果につながると言う教訓です。
何もこれはサッカーや野球だけでなく、すべてに当てはまる原則だと思います。
私も思い当たる節があり、サラリーマン時代の記憶でも仕事が出来る人はあいさつは勿論ですが、机も常に整理されていました。
そんな事を何故か、ふと思い出していると、夕方のニュースで川上さんの訃報を知り、とても驚きました。
そのタイムリーさに初めは「虫の知らせ」かと思いましたが、考えてみると川上さんとは、いち面識もありませんし、亡くなったのは28日なのであり得ません。
自分でも馬鹿だなと思いつつも、予知してしまった様な気がして、とても不思議な気持ちになりました。