マサオのブログ

よもやま話ですが、何かのお役に立てれば幸いです。

カステラの味

先日、東京に住んでいる私の二番目の兄が訪ねてくれて、手土産を頂きました。

兄は必ず何か持参してくれるので、いつもながら感謝しています。

今回は「松翁軒のカステラ」でした。

ネットで調べると天和元年(1681年)創業です。

私はこれまでカステラと言えば「文明堂」(明治33年創業)しか知りませんでしたが、こちらは、なんと300年以上の企業です。

世間では企業の寿命は30年、最近では10年以内ともいわれる中で、300年はもう「伝説」です(素晴らしい!)

カステラは歴史が古く、ポルトガルより伝わったのが16世紀後半、安土桃山時代との事ですので、信長や秀吉が活躍したころです。

当時は「羊羹(ようかん)」が考案されたころでもあり、日本のお菓子文化にも大きな発展が起きていました。

長い乱世が終息し、新時代が幕開いた当時は、様々な物や情報が行き交い、政治、軍事、経済、文化、なにより人々の発想や思考にも大きな転換が訪れたのでしょう。

それらをいち早く取り入れた信長や秀吉が、天下人になったのは当然の結果かもしれません。

話がそれましたが、カステラはポルトガルのオリジナルのお菓子とは違い、日本で独自に発展した食べ物である事も非常に興味深いです。

西洋のお菓子は基本的に小麦粉を使ったケーキ類が多いですが、それを日本風にアレンジして出来たのが、カステラとの事。

他にも伊予松山の「一六タルト」で有名な、あんこ入りのロールケーキもそうです。

そもそも和菓子の代表格である饅頭(まんじゅう)も、元は中国から伝わった饅頭(マントウ)が起源と言われています。

いわゆる「肉まん」ですが、昔の日本人は肉食をしなかったので、代わりにあんこを詰めてお菓子として発展したそうです。

お菓子以外にも、カレー、ラーメン、とんかつ、コロッケなど、外から伝わり日本で独自に発展した食べ物は枚挙に暇がありません。

まさにアレンジは、日本のお家芸です。

それはともかく、久しぶりに食べたカステラは、とても懐かしい味がしました。

なんとなく郷愁を感じる様な、安心感があります。

私はアメリカ人ではありませんが、ドーナツなどもそうです。

90年代ごろより、「ナタデココ」「ティラミス」「パンナコッタ」「ベルギーワッフル」など、いくつも新しいお菓子が流行しましたが、結局最後は何百年も受け継がれて来た、定番中の定番「カステラ」のような素朴な味が、残って行くものなのだなと思いました。