権兵衛さん
今日のお昼に、食事をしながらテレビを見ていると、あるCMから懐かしい曲が聞こえて来ました。
その曲名は「権兵衛さんの赤ちゃん」です。
この曲は、替え歌にもよく使われていて、そのCMでも替え歌だった気がしますが、とにかく色んなバージョンが存在します。
CMをきっかけに何となく頭の中で、権兵衛さんの赤ちゃんが再生されました。
何度か再生しているうちに、そういえばなぜ歌の最後に「そこーで、慌ててシップした」なのか、急に疑問に思いました。
実はこの疑問は、今となっては遠い昔、私がまだ幼稚園児だったころにも同じ疑問が浮かんだのを思い出しました。
先生がピアノを弾きながら、みんなで歌っていたのですが、子供心に「なんで、風邪なのに湿布なの?」と思いましたが、それ以上特に気にすることも無く、その事はそのまま忘れていました。
その疑問が、また急によみがえって来たのです。
私は、この歌詞の意味を考えました。
私が想像したのは、権兵衛さんは無骨な髭面の大男で、彼の初めての可愛い赤ちゃんが風邪をひき熱を出したので、あまりの事に、半ば錯乱状態で、意味のない(もしくは熱冷ましのつもりで)湿布を、赤ちゃんに貼ったのでは、と。
もしかしたらこの歌詞は、そんな無骨で不器用な権兵衛さんの錯乱や天然、慌てぶりを笑ったものでは?と考えました。
そして、その考えが正しいかどうか調べるため、ネットで検索しました。
原曲はアメリカ民謡の「リパブリック讃歌」で、南北戦争の北軍の行軍歌です。
そもそもは、戦意高揚の為の歌でしたが、アメリカでもその替え歌が流行り、いつのまにか「ジョン・ブラウンの赤ちゃん」になったそうです。
なんと「権兵衛さんの赤ちゃん」自体が、替え歌でした。
原曲がアメリカ民謡だという事は、小学校か中学校時代の音楽の時間に聞いた事があり、かすかな記憶がありましたが、歌詞の内容までは知りませんでした。
アメリカ版の歌詞でも、ジョン・ブラウンさんの赤ちゃんが風邪をひいたので、あわてて樟脳(しょうのう)油を塗ったとの事。
樟脳油は、風邪をひいた時に喉や胸に塗ると楽になるそうで、日本でもベポラップなどでお馴染みです。
それを曲に合わせて歌いやすく「湿布」と訳したのと、ジョン・ブラウンを権兵衛さんに変えたそうです(名無しの権兵衛から来たという説もあるそうです)
事実は私の想像とは、ぜんぜん違いました。
この曲はメロディーが覚えやすく、替え歌が作りやすいので、世界中で親しまれている様です。