完成されたデザイン
ハリウッド版新作ゴジラが公開され、好調らしいですが、いまだにアメリカでゴジラ人気があるのが意外です。
本家の日本では、毎年の正月映画の定番でしたが、それも10年前から終了しています。
テレビでも放送しませんし、今の子供は、ゴジラを知らない子も多いかもしれません。
私の子供時代は、夏休みなどには必ず、ゴジラやガメラ映画はテレビで見ましたし、季節の風物詩といった感じでした。
松井秀樹選手がゴジラと呼ばれたり、着ぐるみがイベントなどでもよく登場し、まさに日本を代表する怪獣でした。
ところがCG技術の発達で、昔ながらの着ぐるみの特撮が陳腐に見え、いつの間にかシリーズも終了。
忘れかけたころの98年に、最初のハリウッド版が公開され(ただの大きなイグアナと揶揄された)
また新作が今年公開されているので、慢性的なネタ不足なのか、それともアメリカ人にとっても思い入れの強い怪獣なのかは分かりませんが、好評ならば見てみたいです。
しかし、今回もデザインはイマイチです(メタボと揶揄されています)
しかし本家の日本版のゴジラのデザインは、本当によく出来ていると思います。
最初の作品から最後まで、ずっと基本的な形は変わっていませんし、今でも古さを感じません。
あれをデザインした渡辺明さんは、凄い人だと思います。
「完成されたデザインは、時代を超える」好例です。
故・大高猛さんのカップヌードルのパッケージも、古さを感じませんし、素晴らしいと思います。
道具なども洗練されればされるほど、機能美が出て美しくなります。
アスリートも競走馬も、極限まで競技に特化したトレーニングを積み、美しい肉体を作り上げます。
結果が良いから、素晴らしいと感じるのか、美しいから、それが素晴らしいと感じるのか分かりませんが、私たちは脳の中に、本能的に素晴らしい物を美しいと感じるプログラムが、有るのかもしれません(美人を求めるのも本能)
逆に自分たちの生きる環境に適さない不衛生な場所や、生き物(害虫の類)をどうしても醜く感じてしまいます。
その一方で、砂漠や氷河などは、環境に適さなくても美しく感じます。
ライオンやクマなどの猛獣もそうです。
そう考えると、このロジックは成立しません。
でも便所虫にとっては、トイレは楽園でしょうし、自分たちが醜いなんて思っていないでしょう。
結局美意識というのは、人間の勝手なものですし、細かく分ければ個人差もかなりあります。
別に全て世間の感覚に迎合する必要はありませんが、多くに人に支持され、長く愛されているのもは、洗練され美しいはずですので、そのあたりの感覚を研ぎ澄ますためにも、日頃から良い物に触れる機会を増やすことは、とても有意義です。