エネルギーと進化

昨日の続きの遊就館ですが、ゼロ戦以外にも、一階の無料展示には、大砲と機関車もありました。

「大砲は、男のロマンだ」という言葉があるそうですが、この鉄の筒に火薬と砲弾を詰めて発射するだけの単純な道具に、人類の戦争の歴史が詰まっています。

テクノロジーが進化した現在においても、基本はこの大砲です。

ミサイルは自力で飛べる砲弾であり、将来出現するであろうビーム(レーザー)兵器も、基本コンセプトはこの大砲です。

この単純な筒を鋳造し、加工する技術が世界の版図を塗り替えました。

大砲の隣で、展示されていた機関車もそうです。

よく見れば、ただの大きなボイラーに車輪を付けただけです。

どちらも仕組みはごく単純。

しかし思えば、この鉄を精錬する技術こそ、人類の歴史そのものです。

大砲の前は、刀、鎧、鍬、鎌などを鍛造し、その技術が高い民族が、自分たちの文明を広げて行きました。

歴史とは、金属の歴史とも言えます。

また金属加工は、炎を操る技術であり、金属は炎で加工しなければ、ただの石です。

人類は炎を操る事により、文化を持ちました。

暗闇を照らし、暖を取り、肉を焼き、鉄を鍛造し、その力で人口を増やした。

炎を操る技術こそ、我々の進化の道しるべです。

思えば、われら地球の光や、命の恵みの元である太陽自体が、大きな核融合エネルギーです。

この核融合エネルギーの周りを、地球などの惑星が回り、太陽系を作っています。

そして太陽系の様な恒星系が無数に集まり、もっと大きな銀河系を形成しています。

その上には、まだもっと大きな存在が有るかも知れません。

エネルギーとは、宇宙そのものかもしれない。

現在の原発は「核分裂」型なので、放射性物質を出し危険ですが、「核融合」は、放射性物質が出ない(反応時は出るが廃棄物としては出ない)ので、安全です。

残念ながら、まだどの国も核融合炉を成功させていません。

原発が危険だからといって、その研究自体を否定するのは、あまりにも近視眼的です。

成功すれば、安全でクリーンなエネルギーが手に入り、何よりも宇宙の法則や真理に近づき解明することが、出来るかもしれません。

私は、現在の「核分裂型」の原発は全面廃止すべきだと思いますが、「核融合」の研究は今後も続けるべきだと思います。

原子力研究は、何も科学技術だけでなく、安全保障の面でも意味はあります。

私は日本の核武装自体は反対ですが、保有可能な状態そのものは、いざという時の抑止力に繋がります。

「炎(エネルギー)は、われわれを進化させ、いつか真理に導く」

いつの日か、宇宙の謎が解ける日が来ることを期待しています。