AKBと民主主義
昨日、テレビでAKB48の総選挙を見ました。
去年は確か、近所のインドカレー専門店で、食事中にお店のテレビでちらっと見たのを覚えています。
これまではまったく関心が有りませんでしたが、最近は「恋するフォーチュンクッキー」のさまざまな素人ダンス投稿動画を見て以来、AKBが何となく気になっており、初めてちゃんと総選挙を見ました(といってもトップ10くらいからですが)
驚いたことに、みんなまだ十代や二十歳そこらなのに、なんてしっかりした挨拶が出来るんだろうと感心しました。
自分が二十歳の時なんて、まだ日本語が不自由でした(もちろん生まれも育ちも日本で、母国語も日本語です)
今でも時々怪しいのに、それなのに、この子達ときたら・・・
軽くショックでした。
それにみんなの悔しさや、真剣さが凄く伝わって来て、ちょっと感動してしまいました。
1位に輝いた渡辺麻友さんは、顔は前から知ってはいましたが、名前を知ったのはつい最近です。
しかし彼女はこれまで7年間もAKBで活動してきた事実を知り、驚くと同時にとても関心しました。
今年で40歳になる私ですが、思えばこれまでひとつの仕事(職業)を7年間もやり続けた経験がありません。
彼女が挨拶で、「今までの人生で一番幸せです」という意味の事をいっていましたが、普通なら大げさだなと思うところですが、よく考えてみると私のまだ半分しか生きていないこの20歳の女性の方が、自分よりもよっぽど偉い気がして(というより事実ですが)とても恥ずかしくなりました。
2位の指原さんも、プロデュース業もやっているとのことで、スナックのママさんが明日からでも勤まりそうな貫禄があり、これまた凄いなと思いました。
高橋みなみさんに至っては、真のリーダーというか、立ち居振る舞いはもう完成された大人です。
上位に来る人たちは、やはり来るべくして来ていると感じました。
教育とは凄い。
環境とは凄い。
マインドとは凄い。
もうずっと感心しきりです。
そして、この総選挙というシステムは、本当に素晴らしいと思いました。
そういえばもう十年くらい前の事ですが、当時仕事中に缶コーヒーか、お菓子だかをコンビニで買った時、おまけでお気に入りアイドル投票システムみたいなのが付いていました。
当時はモーニング娘の人気も落ち、「今のアイドルは大変なんだな、なんでも自己責任の時代か~」くらいの感覚でそれを見た記憶があります。
それが、ここへ来てアイドルにまったく関心のない、私の様な人間が認知するまで成長しました。
よく芸能界での人気は、プロダクションの力に左右されると聞きますが、AKBのメンバーはみんな所属もバラバラだそうです。
そして人気投票によって、「その年の顔」が決まる訳ですから、公平かつ民主的です。
思えば、これは民主主義のシステムそのものです。
若い人は政治に無関心で、投票にも行かないと言われますが、こうやって投票で選ばれた人が1位になるシステムは、これを毎年テレビで見る子供たちの無意識に働きかけ、将来の民主主義の啓発活動になるかもしれません。
それにメンバー本人達の意識、危機感や本気度も上がります。
今回1位が15万票も獲得している訳ですから、これはもう政治家にでもなれるレベルです。
総選挙を見て、漫画家の小林よしのり氏や、いい大人の文化人達までが、熱狂的に応援する理由が少し理解出来ました。
少し気になるのが、私の様にまったく関心のなかった人間までが認知するようになると、そのブームは衰退するそうです。
今が人気のピークなのか、それともまだ伸びるのか、これからどうなって行くのか見ものです。