目黒寄生虫館
昨日、目黒寄生虫館に行って参りました。
不動前に引っ越して一年、存在自体は結構有名ですし、昔から知ってはいましたが、すぐ近所にあるにもかかわらずなぜか行く機会がなく、やっとそれが昨日実現しました。
場所は大鳥神社のすぐ近所で、目黒通り沿いにある普通の6階建てのビルです。
その1階と2階のみが博物館です。
入館料は無料で、募金箱のみが置いてありました。
中はとても綺麗で、おどろおどろしい感じはありません。
しかし展示物をよく見ると、かなりグロテスクな標本が、ホルマリン漬けになってガラス瓶に入っています。
魚に寄生したものや、動物の臓器に寄生したものは、魚や臓器ごとそのまま瓶に入っています。
ただ、どれも死んでいるし、ホルマリンの効果かどうか分かりませんが、全体的に色が抜けて白くなっているので、そこまでグロテスクではありません。
ですがこれが生きて蠢いているのを想像すると、かなり気持ち悪いです。
昔、カマキリを水に漬けて、お腹に寄生するハリガネムシを出して遊んだことが有りますが、ハリガネムシが出た後のカマキリのお腹は、ぺったんこになっていました。
それを見て、これはもう内臓そのものなんだと理解しました。
魚も動物も、ほとんどが何かに寄生されています。
イカなども有名なアニサキスに、ほとんどが寄生されていて、刺身のイカそうめんは、食べやすさだけでなく、このアニサキス対策でもあると聞いたことがあります。
サバもなぜ酢で〆るかというと、腐りやすいのと、青魚の臭みを取るだけでなく、このアニサキス対策の意味もあるようです。
2階には、人体に寄生した標本が多く展示され、中には有名なサナダムシもありました。
展示物の中に、懐かしのぎょう虫検査のシールがありました。
今はもう廃止されているようですが、私がまだ小学生の頃はやっていた記憶があります。
イタズラで、ペットの犬のお尻に貼ったものを提出して、怒られた話などを聞いた記憶があります。
日本では衛生状態が改善され、寄生される機会はほとんど無くなりましたが、海外では今でも命を落とす人もいるようです。
一番インパクトがあったのが、象皮病になった患者の写真です。
これはフィラリアに寄生され、陰嚢が肥大化するのです。
まるで、足が3本になったようです。
葛飾北斎の絵にも出て来ますし、晩年の西郷隆盛はこの病気に侵されていて、陰嚢が頭の大きさくらいになっていたそうです。
衛生的な国や時代に生まれて幸せだと実感するとともに、本来はこういった寄生虫と共生関係をしながら、自然界は成り立っていると感じました。
人間は文明の発展と共に、公衆衛生を向上させ、病気のリスクを抑え、平均寿命を上げて来ましたが、皮肉な事に行き過ぎた衛生管理が、逆に免疫力や抵抗力が低下を招き、アレルギー性の病気が増えています。
私が子供の頃は、まだ犬の糞が道のあちこちに落ちていましたし、そんな汚い砂場で遊んでいました。
寄生虫などの命を奪うほどのリスクは排除しなければなりませんが、細菌レベルではある程度の免疫力向上のための対策(予防接種など)は、必要だと思います。
今の世の中で、さすがに糞まみれの砂場で遊べはと言いませんが、抵抗力をつけるために雑菌をあえて注射したりサプリメントとして摂取することは、健康向上に意味があると私は思います。