マサオのブログ

よもやま話ですが、何かのお役に立てれば幸いです。

人生のエッセンス

俳優で声優の大塚周夫さんが亡くなりました。

享年85歳。

チャールズ・ブロンソンの声や、アニメの吹き替えでお馴染みでしたが、そんなにご高齢だったのは驚きです。

昨年の永井一郎さんに続いて、また大物有名声優が亡くなったのは、とても残念です。

私の中では、バビル2世の悪の親玉「ヨミ」や、美味しんぼの「海原雄山」のイメージが強いです。

子供心に、演じるキャラクターと相まって、凄く怖い声だなと思っていましたが、宮崎アニメの名探偵ホームズ(この作品は今でも大好きです)で、モリアーティ教授を演じられた辺りから、随分イメージ変わりました。

それまでの恐ろしい悪役と違い、ドジで間抜けな所のあるコミカルなキャラクターでしたし、忍たま乱太郎の「山田先生」では、完全に優しいおじさんになっていました(実際の性格は存じませんが、優しいお人柄が声ににじみ出ていた様な気がします)

昔の声優さんは、声に特徴があり個性的なので、すぐに誰か分かります。

それだけに、誰を演じても同じに聞こえてしまう欠点もありますが、聴いていて安心感や安定感があります。

最近はアニメもほとんど見ないので、若手の声優さんの声も名前も分からなくなっています。

なので、これはだれだれの声だとか気にしなくて良い面もあるのですが、全体的にあまり個性が感じられません。

技術も進歩してみんな演技は凄く上手いのですが、なにか物足りなさを感じます。

先日亡くなった高倉健さんなどもそうですが、役者は存在感が大切で、たとえ演技力は磨けても、この存在感は持って生まれた才能なのかもしれません。

大塚さんの息子で、ベテラン声優の大塚明夫さんも、お父さんと声は似ていませんが、この存在感を受け継いでいます。

大塚(周夫)さんや昔の声優さんは、この存在感が抜群でしたので、もっと若手の中からもそういった個性派のひとが出て来てほしいと思います。

ひとは年を取るし、亡くなるのも順番なので仕方がないのですが、出演作品はずっと残りますので、そういう意味では役者さんや映像作品を作っておられるひとは、自分の仕事や、この世に生きた証が残るので、羨ましく思います。

私も40歳になって、自分はこの先何を残せるのだろうかと考えると、少し焦る気持ちも湧いてきます。

しかしなにより大切なのは、自分がしっかり生きることによって、はじめてなにかが残るだろうし、たとえ残らなくても、その人生のエッセンスが次の世代に受け継がれていくものだと思います。

私も沢山のひとからさまざまな遺産や感動を受け継いで、今を生きている訳ですし、大塚さんをはじめ、これまでの私に、その人生のエッセンスを提供してくれた、すべての亡くなった人生の先輩方のご冥福をお祈りします。