やるせなさ
イスラム国(ISIS)が日本人男性2人を拘束し、YouTubeの動画上で72時間以内に身代金2億ドルを日本政府に要求しましたが、その期限が過ぎてしまいました。
暴力に屈してはならない。
テロリストとの交渉には応じない。
拘束された男性2人も状況を理解したうえで行っているので、覚悟はできているだろう。
そもそも自己責任だ。
金額が多すぎる。
なんとか政府には、上手く交渉してほしい。
などが、ネットやメディアなど、大方の意見のように思われます。
私も、だいたい同意見です。
驚いたのは、ISISに対して、今回の動画をふざけて加工したものを、直接送っている連中がいる事です。
ネットで話題になっているので確認したところ、誠に不謹慎ですが、笑ってしまいました。
それにしても、すごい時代になったものです。
個人が、直接テロリストとコミュニケーション出来るのです。
そして同時に怖くもなりました。
これで、日本国内がテロの標的にされる恐れがあるからです。
過去にあった(1991年)「悪魔の詩」事件を思い出します(未だに犯人は検挙されていません)
この事件で、イスラム教の狂信者を怒らせると、本当に恐ろしいということを知りました。
これはまだ、9.11テロの10年も前の話です。
送っている連中はそれが分かっているのか、いないのか分かりませんが、これが今の日本の姿なのだろうと思います(危機感が足りない)
日本があまりにも平和過ぎて、そこまで想像がおよばないのかも。
海外旅行で日本と同じ感覚でいると、強盗やレイプなど、ひどい目に遭うのと同じです。
それと、他人に無関心だといわれますが、その通りなのかもしれません(もちろん私も含めです)
この問題を考える時、いろんな感情が出て来ます。
まず、テロリストに対しての怒りです。
卑劣な手段を用いていること対してはもちろんですが、単純に「日本人をなめやがって」というくやしさもあります。
やはりこんなとき、特殊部隊を派遣して救出活動をしたり、報復攻撃をする手段が日本にはないことです。
上記のおふざけ動画を送る、危機感のなさに対しても憤りを感じます。
今の日本は、お笑い文化が発達していることもあり、世界的に見てコミュニケーションが複雑で、相当高度なものになっていると思うのですが、それがまったく通じないレベルの相手にそれをやってはダメです。
それこそ、「空気を読まなければならない」と思います(日本人はこれが得意なはず)
しかし、ネットの書き込みにもありましたが、もし好意的に考えるのなら、「われわれはテロに屈しない」「相手にしない」という、斜め上の表現ではありますが、武力行使が出来ない日本なりの抵抗メッセージになりえるのかもしれません(あまりにもリスキーですが)
動画の男はイギリス国籍だそうですし、宗教問題ではなく、世界的な格差に対する不満が、そもそもISISを拡大させた動機になっているなども、絶対に卑劣なテロは容認できませんが、複雑な気持ちにさせられます。
あまり期待はできませんが、なんとか人質のお二人が、無事に帰ってくることを祈るばかりです。