ねんど
ここ数日は、季節が逆戻りして、とても寒いですが、まだ温かかった先週あたりに、部屋にコバエがいるのを発見しました。
春になって、徐々にこういった小虫が活動を始めています。
見つけたのが、洗面台の付近だったのですが、それにしてもどこから入って来たのか疑問でした。
まだ寒いので、窓を開け放っているわけではありませんし、洗面台の周りはコバエが発生するような環境ではありません。
考えたら昨年もこの辺りで、良く見かけたなと思いつつ、もしかしたら排水口から上がって来るのでは、と考えました。
洗面台のある部屋は、洗濯機も置いてあり、隣に浴室もあります。
洗面台の排水口は小さいし、専用ネットがあるので、とても上がってこられるとは思えません。
下の化粧台を開けてみましたが、板がはめてあって配管が隠されていますので、奥がどうなっているか分かりませんが、おそらく、ここも入って来られないでしょう。
浴室はユニットバス(トイレは別で風呂のみのタイプ)ですが、そこの排水口も上がって来られそうにありません。
残るは洗濯機ですが、そこで思い出しました。
ここに引越したときに、持って来た洗濯機を置いたのですが、その時、洗濯機の蛇腹のパイプを、洗濯機置き場の排水口に差し込んでみると、パイプの口径が小さくて、ガバガバでした。
でも、引っ越し作業の途中で、とりあえずはこれでいいやと、そのままにしていました。
そしてそのことは、この2年、すっかり忘れていました。
洗濯は問題なく出来るし、悪臭が上がってくる訳でもありません。
また、排水口は洗濯機の下なので、普段、目に入ることもありません。
コバエは、おそらく、ここから上がって来たのでしょう。
実物を見てみると、やはりガバガバです。
これは、すぐにでも塞がねばと思い、家探しすると、穴埋めシールパテが出て来ました。
エアコンの壁の配管の根本なんかに、よく使われている粘土状のパテです。
なぜこんなものが、家にあるかといいますと、引っ越し当時、庭のライトアップ用にスポットライトを設置しようとして、その配線を壁から出す時に穴うめ材として購入したものが、結局必要なかったので、そのまま使われずに残っていました。
けっこう高かったので、買って損したと思っていたのですが、ついに活躍の場が与えられたのです。
箱から出してさわってみると、まさしく粘土です。
子供の頃は、よく粘土細工で遊びました。
一番思い出に残っているのが、床屋のおもちゃです。
人形の頭に、小さな穴がいっぱい空いていて、人形に粘土を詰めて押し出すと、まるで髪の毛の様に、細い粘土が出てくる仕組みです。
それをハサミで、ちょきちょき切るだけのおもちゃなのですが、その髪の毛粘土が出てくる様が面白くて、友達と大爆笑していた記憶があります。
あと、図工で紙粘土を使って、いろいろつくりました。
粘土細工は、夢中になれ、とても楽しかった記憶があり、それが穴埋めパテを触ったことで、急にいろいろ思い出され、とても良い刺激になりました。
映像や音、味、匂いなど、さまざまなことから昔の記憶が蘇ることがありますが、触覚で蘇る記憶もあるのだと、気付かされました。
穴埋めが終わってひと安心しながら、よく大人の趣味で、陶芸などをされるひとがおられますが、私も少し興味がわきました。
陶芸は、「おとなの粘土細工だ」などと聞いたこともあり、その感覚も分かる気がしました。