東京都庭園美術館
昨日、東京都庭園美術館に行って参りました。
なんでも、開館30周年記念展だそうで、この前まで改修工事をしていました。
記念展として「幻想絶佳」と題して1月17日~4月7日まで、アールデコと古典主義をテーマに展示をされているようです。
今回あるひとから無料招待券を頂いたので、行くことにしました。
美術館なんて久しぶりです。
以前武蔵小杉に住んでいた時は、近所の大きな緑地公園内に川崎美術館があり、常設展は無料でしたので、よくジョギングしたり、散歩したついでに覗いていました(タダ見ばかりですが)
この庭園美術館は、名前の通り美術館の周りが大きな庭園になっているのですが、残念なことに庭園はまだ工事中でした。
工事の状況を見た印象では、まだまだ先になりそうでしたが、完成すればかなり立派な庭園になりそうです。
美術館本体も30年どころか、1933年に建設された旧朝香宮邸がもとになっています。
建設当時フランスでは、アール・デコの全盛期だったそうで、朝香の宮ご夫妻がフランスで見た様式美に魅せられて、この邸宅を作られたそうです。
邸宅なので各部屋に大理石つくりの暖炉があったり、食堂や寝室、書斎など、ほとんどがそのままの状態で保存され、そこに間借りして美術品を展示してあるといった印象です。
建物自体が、文化財や歴史的価値があり、そういった意味では、空間や場所そのものが、美術品なのかもしれません。
窓の鍵や洗面台の蛇口、階段の手すり、電球のカバーなども当時のまま保存されており、美術品よりもそちらに気が向きました。
ただ、昔の建物だけに寒く、昨日は気温が低かったせいか、館内は上着のままでも十分でした。
各部屋にも暖炉がありましたし(もちろん火は入っていません)、住まわれていた当時も相当寒かっただろうと思います。
美術館として考えると狭いですが、お屋敷としては凄い広さです。
大広間の隣に、男性専用の喫煙室まであったのには驚かされました(知りませんでしたが、西洋のお屋敷には昔からあったそうです)
印象的だったのが、お風呂も保存されており、総タイル張りで、バスタブとトイレの便器、ビデまでありました(もちろんここには展示物はありません)
今でいえば、ワンルームやビジネスホテルのユニットバスみたいな感じです(ただし広いですが)
とまあ、展示物よりも建物の印象が強烈で、そればかり思い出されます。
ひと通り見て、お隣の新館に入ると、そこからは急に現代でした。
空調はしっかり利いているし、すべてが機能的。
現代人は恵まれていると心底思いました(財産ではなく純粋な便利さ、豊かさでは、昔の皇族さえ超えている)
新館のギャラリーでは主に絵画展をやっていました。
ここもテーマはアール・デコです。
ビデオも流されていて、お蔭でアール・デコとアール・ヌーボーの違いが何となくわかりました。
たまには、芸術にふれるのも悪くないなと思いましたし、貴重な時間や体験でした。
ただ、こういった古典的な美術作品というのは、今後どうなって行くのか気になりました(もちろん歴史的遺産として残り続けるでしょうが)
現代美術は抽象的過ぎて、私は正直意味が分かりません。
才能ある人は、映画やアニメなどの映像芸術や、漫画やイラストレーター、建築や工業デザインの道に進んでいるのではと想像してしまいます(もちろん現代美術にも才能ある天才もいるのでしょうが)
音楽もそうですが、クラッシックだけが音楽ではありません。
例えば100年後、美術館にはどんな作品が並ぶのか、その時、現代の美術や音楽がどんな位置づけになっているのか、非常に興味があります。